ナナ公の独り言

都内在住既婚会社員女の日記です

ドナルドダックの彼女とミッキーマウスの彼女

ディズニーランドでバイトしてた、デイジー
ナナ公の学生時代の友人です。

ディズニーランドでバイトするって面白いらしいよ。
身分証明書の写真は笑顔で歯を見せた顔写真を載せたり、
ゴミ拾いのほうきとちりとり専門のスタッフも腰をかがめて掃除してはいけないとか、
いろいろ細かい規定があるんだって。

それもこれも夢の国の住人になるからしかたないよね。

で、このバイトさんたち100時間働くと、1日パスポートがおまけでもらえるそうです。

さて、デイジーは200時間働いたので2枚パスポートを持っていました。
友人を誘っていくことにしました。
仮にその友人の名前を、ミニーとしておきましょう。

デイジーとミニーはランドを楽しく遊んでいました。
デイジーは、トゥモローランドの土産物屋のバイト店員なので、
トゥモローランドには近づきたくなかったのですが、ミニーにひっぱられるがままに足を踏み入れました。

今はもうなくなって違う名前のアトラクションになっているんだけど、
その頃「ワールドフライングツアー」とかなんとか言う名前の、
360度方向にスクリーンがあって、お客は空飛ぶじゅうたんに乗って世界中を観光できるという上映系アトラクションがありました。

1日に5回くらいの上映で、アトラクションの前に、
「次回上映は15:45からです」という看板を掲げたバイトが立っています。

その館の前を通りかかったとき、ミニーの足が止まったよ。
ミニーはデイジーに言いました。

「どうしよう・・・好きになっちゃった!」

なんと、ミニーはその看板を持っている男の子に一目惚れしてしまったの!

どうしても声をかけたい、と言い張り、その場を動かないミニー。
デイジーが、じゃあ声かけてきな、と言うと
ミニーは、恥ずかしくてそんなことできない!!と大騒ぎ。

やがてミニーは言いました。
「デイジーが声かけてきてよ。私はあの子が好きだからできないけど、
 なんとも思ってないデイジーならできるでしょ?」

デイジーは、自分の職場のおとなりのバイトにそんなことできない、
明日からばったり会ったらこまる、と必死に拒否しましたが、
結局、押し切られて、その男の子、・・・・仮にミッキーとしましょうか。
ミッキーに声をかけることにしたのです。
まあいつまでもそこで押し問答してるのも恥ずかしいですしね。てか、自分勝手だな、ミニー!

『それで、どうなったの?』
そう聞いたナナ公に、デイジーは言いました。

『もちろん、英語で流暢に声かけたよ。ヘロウ!って。
 そんで続けて英語でしゃべった。次の上映は何時からですか?って』

またか!!

デイジー、困ったらすぐ英語だな!

ミッキー、どう見ても日本人の女の子二人組みをたっぷり10秒は見つめていたって。

というのもね、ミッキー、かなりのオバカだったの。
まったく英語が通じない。ヘロウ!ですら。笑顔が固まったまま無言で1分経過。
そんなんでディズニースタッフ務まるのかよ!

デイジーが必死にゆっくりジャパニーズイングリッシュで、
ホワット タイム ダズ ディス アトラクション ビギン アット?
って聞きながら、館を指差して、腕時計を見せてもまったく通じない。看板を指差したりもします。
って看板見たらわかるだろ!

ホワットタイム?ビギン?とキチガイのように繰り返すデイジー
頬を赤らめてうつむくミニー。
笑顔のまま黙っているミッキー。

小さな地獄絵図出現だよ。3人とも日本人なのに。しかも何時に始まるか知ってるし。
てかそんなこと興味ないし。

やがて、金縛りが解けたミッキーは「チョットマッテクダサーイ」と言うと、
奥から社員さんを呼んで来ました。

「この人たちです!俺英語全然ダメで・・・」
社員の女の人は、上から下までデイジーとミニーを眺めた後、
丁寧に次の上映時間を教えてくれたよ。
英語で。

デイジーは、胸はって社員さんに言ったって。

「サンキューベリーマッチ!グッバーイ!」

残念ながら、ミニーの恋は実らなかったそうです。