男はつらいよ お帰り 寅さん
あけましておめでとうございます。
仕事初めの通勤電車から書いてます。
つまり割と空いてるし、スマホから投稿できるわけです。
素晴らしい。ブログ始めた15年前から比べて格段に便利に進化しています。
時の流れは残酷で優しく強く、やはり神ですね。絶対に勝てないです。
ってことで、年末、寅さん観てきました。
映画の中で、寅さん(渥美清)の生死は触れられません。
一箇所、吉岡秀隆演じるさくらの息子が初恋の彼女と再会し、
柴又の実家に連れてくるシーンで、
さくらが「泊まってく?二階ならいつでも泊まれるわよ。お兄ちゃんがいつでも帰ってきていいようにしてあるの」というセリフがあり、
どちらともとれるようにしてあります。
物語は、この吉岡秀隆演じる、さくらの息子で寅さんの甥の満男の視点で進みます。
満男はそこそこ売れてる小説家で、はじめてのサイン会を控えています。
高校生の娘が一人いて、妻を数年前に亡くした男やもめです。父娘2人の暮らしは穏やかで、支えてくれる担当編集者の女性(池脇千鶴)もいます。
サイン会で初恋の人で初めての彼女だったイズミ(後藤久美子)と再会します。
イズミは外国で結婚し、仕事し、たまたま日本に仕事できていて、数日の休みが取れたところでした。
彼女の現在には全く問題はないものの、日本に残した何年も会っていない両親が、今も彼女を悩ませます。
浮気相手と出ていったものの、寝たきりになったら捨てられた父(橋爪功)、
離婚後荒れてイズミを苦しめた母(夏木マリ)、
父にも母にもイズミはどう向かいあったらよいかわかりません。
満男は彼女に付き添い、一緒に悩みます。
その時々で、心の中の寅さんに問いかけます。
おじさんだったらどうするかなあ、なんて言うかなあ、と。
この回想シーンの寅さんのセリフはぐっときますね。
なるほど確かにこれは日本人の在りたい心です。
数々のマドンナも、一番素敵なシーンが差し込まれます。みんな綺麗!
なんなら、さくらの夫で満男の父のヒロシ(前田吟)もイケメンでした。
マドンナの一人、リリー(浅丘ルリ子)は今の姿も描かれて、満男がイズミを連れてリリーの経営するバーに行くシーンがありますが、
昔のリリーがあんなにセクシーで可愛かったなんて!いや、今のリリーも素敵ですけどね。
イズミの問題は落とし所がみつかり、満男とイズミは空港で別れます。
最後にイズミは満男にキスしますが、まあ、そりゃそれくらいはしてやれよってとこですかね。
寅さんの甥っ子だから、そういう血という設定なのでしょうが、お人好しの正義漢です、満男。
ちょっと羨ましいし、見習いたいです。
この映画の見所は、美しい往年のマドンナたちです。当然、今も美しいさくら(倍賞千恵子)の若い頃ときたら!
当時映画館で観た方たちは、自分の50年がオーバーラップされてしまうと思いますので、メンタル強く持ってご覧いただきたい。
時の流れが残酷なのは、多分、人の身にはいつも現在しか存在してないからで、
過去は現在からみると一瞬で思い出せるからですね。
思い出すのが一瞬なだけなのに、なぜか実際に在ったことまで一瞬のような錯覚があるからだと思います。
もしかしたら、本当に過去などなくて、全部夢なのかもしれないけど…
この年末年始の9連休も一瞬でした。戻りたい!寅さん観にいった年末に!
にしても時間調整停車多すぎか。お忘れかもしれませんが、私、仕事初めの通勤電車に乗っています。
今年もよろしくお願いします。