ナナ公の独り言

都内在住既婚会社員女の日記です

読書の秋2007 ―ファージョンとアシモフと森達也―

昨日の夜中、ローマの休日が放送されていたよ。
すっかり知っていても観てしまうね、やっぱり。
そういえば、このアン王女の部屋の鏡台に並んでいるディオールの基礎化粧品に憧れて、
学生時代、一時期ディオールの化粧水とか使っていたな・・・。
洗顔石鹸はクリニークが流行っていたよ、そういえばその頃。

自分にお金使えるという点では、学生かOLの頃が一番だったよ!

今じゃ、化粧水はコンビニの化粧惑星を年に一回買うか買わないかですよ。エヘヘ
ってか化粧水ってなぜか常用化できません。いまだに。
ディオールの化粧水も結局半分以上捨てちゃったんですよね。テヘヘ

そんなメイク下手、っていうか、買ったものの使い切らないメイク用品の多いナナ公ですが、
本だけは、一晩も明かさないことはありません。
買った(もしくは借りた)その日に読まないということはないのです。

最近は、すっかりバタイユさんのオススメ書籍ばかり、
次々購入してる日々ですが、
彼のオススメに間違いなし!といいますか、たぶん私と趣味が似てるんでしょうね。
彼のレビューしているミステリも児童文学もエッセイも、
ナナ公は既読していることが多いです。


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上の写真の三冊は、全部バタイユさんの影響で今月購入したものですが、
「ムギと王さま」も「天国を出ていく」も「黒後家蜘蛛の会」も、全部おおあたりでした。

「ムギと王さま」と「天国を出ていく」は、ファージョンの短編集で、一応児童文学の体裁ですが、
大人が読んでも、いやむしろ大人が読むのに素晴らしい作品集ですね。

「星の王子様」や「ふたりのロッテ」などが好きだった方なら、読まないで死んではいけません。
私がぼろぼろ泣いてしまったのは、「天国を出ていく」のほうに所蔵されている、
『サン・フェアリー・アン』です。

これはね、女の子なら誰でも胸が詰まる話です。

どんな女の子にも絶対いるんですよ、子供の頃の大親友が。
一緒に起きて、一緒に眠った、かけがえのない友達だったお人形が。



さて、バタイユセレクトの三冊目「黒後家蜘蛛の会」ですが、
これ、アイザック・アシモフの書いたミステリなんですよ!

あの、ロボット三原則のSF作家アシモフのミステリ短編集ですよ!

ってかこれ読んで思いましたね。アシモフってさ、ブロガー気質なんですね。うんうん。博識だし。
短編集なのに、いちいちひとつひとつに後書き書いていて、
その作品が雑誌掲載時にきたファンレターの質問なんかにも答えているんですよ。

時代背景は20世紀のアメリカで、コロンボがでてきそうな雰囲気です。
そして、どの短編も事件そのものは結構小さい。毎回たいそうな殺人事件がおきるコナン君とは大違いです。

典型的なアームチェアディティクティブです。
場面は、映画のキサラギばりのワンシチュエーションドラマで、
ミスマープル風に6人の男性が食事してるだけです。
彼らの毎月一回のこの定例食事会には、時々一人ゲストが呼ばれて、
そのゲストが話す不思議な経験の謎をみんなで推理しあうというものです。

しかし、毎回、謎を鮮やかに解いて見せるのは、老給仕のヘンリーです。

チェスタトンのブラウン神父シリーズが好きだった人は、かなりハマるのではないかと思います。
まあこれは、ただ、同じ創元推理文庫が出版元で、体裁が似てるからってだけかもしれませんが・・・。



さて、昨夜はブックファーストに平積みになっている本のなかから、つい一冊買ってしまいました。

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「王様は裸だと言った子供はその後どうなったか」です。
これは、「裸の王さま」や「赤頭巾」「幸福の王子」など有名どころのお話を、
筆者が風刺をまじえながら、パロディ化してる作品集です。あえて言うならエッセイかな?

私は、第三話の「仮面ライダー ピラザウルスの復讐」をざっと立ち読みして、
面白かったので購入しましたが、これは、ショッカー26号と32号の同期の友情にじんとくる話です。
ウンウン。

しかし、全体を通して一番心に残ったのは、牧羊神パンからパニックという言葉が生まれたという豆知識かな。

パンは、ピーター・パンの苗字のモトにもなった神様で、
理想郷アルカディアの守り神、顔はヤギの、
動物と歌と踊りを愛する、まるで仮面ライダー電王リュウタロスのような神様です。子供ってことですよ。

たぶんハーメルンの笛吹きなんかは、パン神がモデルだと思う。

このパン神、
普段は陽気でいつも笑っているお酒大好きなステキ神様(そうです、バッカスの子分ですよ)なんですが、
昼寝を邪魔されると、烈火のごとく怒り、キチガイのごとく暴れるそうです。
普段は彼にまとわりつく、リスや小鳥も泣いて逃げて隠れるそうです。

って、昼寝邪魔されて大暴れって、どこまで子供なんだよ!パン!


そんな彼の、理不尽な大暴れに、逃げ惑う動物たちの様子からきたそうです、パニック。それが語源。





こんな豆知識も増える、「王様は裸だと言った子供はその後どうなったか」、そこそこおすすめです。
第五話「ミダス王」や、第八話「美女と野獣」なんかは、
私もいつかブログで書いてやろうと思っていた感想がそのままパロディ化されています。

つまり、なんでミダスは箸とかフォークとか使って食事しなかったんだよ!ってことと、
見た目じゃなくて中身だって気づいたのに、なんで王子に戻ってめでたしめでたしなんだよ!ってことです。

あ、これは「シュレック」書いた人もそう思ってたってことだから、
相当多数の方も思ってた不満なんでしょうね。

ちなみにミダス王、あの王様の耳はロバの耳の王さまミダスと同一人物だそうです。またまた豆知識!
忙しい王様だよまったく。
手は、触ったものなんでも金に変えちゃうし、耳はロバだし。

っていうか、いっそ裸で練り歩いた王さまもミダスであってほしかったですよ。
そしてそのチンチンがホウケイで、子供も、
「あっ王さまはホウケイだ!」とか叫んじゃえば良かったのに。クス