バタフライ・エフェクト･･･２･･･

昨日は通院の日（ナナ公はただいま不妊治療中だよッ。ｸｽﾝ）だったよ。
珍しく、二時間で渋谷に戻れたので（いつもは待たされて待たされて四時間はかかるよッ。ｷｨｯ）、
ツタヤに寄りました。

でねえ、やっとあった。「オーロラの彼方へ」。しかもツタヤ店員のオススメになっていました。
で、早速レンタル。でも１週間借りたのでまだ見てませんよ。見たら早速レビュー書いちゃいますよ。

キアヌの「イルマーレ｣観てから、映画レビュー（っていうかＤＶＤレンタルレビューです）
（だからもうネタバレバレだし。ｱﾊﾊ）をブログで書き始めたのですが、
そんなキッカケもありまして、タイムスリップ系の人情モノにはまっています。

といいますか、もともとＳＦとミステリーばっかなんですけどね。私の好きな作品の傾向って。ｴﾍ。

まあそんなわけで、オーロラの彼方へとともにレジに向かっていたら、
新作の場所に、バタフライエフェクトが！

ｵｵｯ

ｺﾚﾊ　3ﾈﾝﾏｴ　ﾏﾀﾞ　OL　ﾀﾞｯﾀｺﾛ　ﾐﾀｶｯﾀ　ｹﾄﾞ　ｹｯｺﾝｼｷﾉ　ｼﾞｭﾝﾋﾞ　ｼﾃﾙ　ｼﾞｷﾃﾞ　ﾐｿﾋﾞﾚﾀ　ﾔﾂﾀﾞ!!

棚から１本とってレジには「オーロラの彼方へ」と「バタフライエフェクト」の２本を提出。

「こちらは新作扱いになりますけど、返却はどうなさいますか？」

ｱﾘ？

3ﾈﾝﾏｴ　ﾅﾉﾆ？

ｱｯ　ｺﾚ　2ﾀﾞｰ

ﾊﾞﾀﾌﾗｲ･ｴﾌｪｸﾄ2　ﾀﾞｰｰｰｰ

店員に弱みを見せたくない高慢なセレブ・ナナ公は「では、それは当日で」とすましこんで言いましたよ。

ｯﾃ　ﾊﾞﾀﾌﾗｲｴﾌｪｸﾄ　ｯﾃ　2　ﾃﾞﾃﾀﾉｶﾖｯ

というわけで、バタバタと観ましたよ。昨日の夕方。バタフライ・エフェクトだけに！ｸｽｯ

そもそも、バタフライ・エフェクトとは、バタフライ効果のことですが、
日本で例えると「風が吹くと桶屋が儲かる」みたいな意味です。
ある条件のもとで、蝶々がはばたくと地球の裏側で竜巻が起こる、というもの。

原因と結果の関係のことですが、特に原因になるものが非常にささいな割りに、
結果として起こる事象が大きすぎるという状態を指します。

１もそう（らしいの）ですが、２も、
ある青年が、愛する人を救うため過去の一時期に一定時間だけ戻るというものです。

今回は（って１観てないけど！ｷｰｯ）、自分の運転していた車で事故を起こして、
恋人を含む同乗者３人を死なせてしまった青年の１年後からの話です。

では、枠内はネタバレアラスジですから。知りたくない方は、すっとばして！

みなさんは、プロポーズ大作戦は見てましたか？
ちょうど一年前のフジテレビの月９。山Ｐと長澤まさみのラブストーリーです。
幼馴染のまさみちゃんの結婚式に、大後悔しているＰ。
今更だけど、彼女のことが好きでたまらない自分に気がつくのです。

あのときはこうすればよかった、ああすればよかった、と嘆く彼の前に妖精が現れます。
ナナ公の妖精仲間を演じるのは三上博史。
彼の魔法？で、Ｐは、式のスライドショーに映る写真の中（つまりその写真の撮られた時間）に、
少しだけタイムスリップできるようになります。

そしてなんとかまさみちゃんに、想いを伝えようと努力するのですが･･･




ってさあ、私、これ相当好きなドラマでした。切なくて、面白くて。もちろんタイムスリップものだし。



でもねえ、バタフライ・エフェクトって、あっ１のほうね、２００４年にアメリカ公開で、
日本でも２００５年に公開。そうナナ公がまだ西麻布のＯＬだった３年前。


同じなんだよね。


バタフライの主人公も、写真でスリップするの。そういう超能力の人なの。


もしかして、パクった？プロポーズ大作戦･･･





しかし内容は全く違います。
２しか観てないけど、Ｐのスリップみたいに明るくも切なくもないです。

結構重い。そしてＰと違って、スリップのたびにしっかり目的を達成して、
自分の時間に戻ったとき、彼の立場や周囲の事情は激変しています。


いやもう、大激変。激に大つけちゃうくらい。っていうか超大激変。


キャッチコピーの「切ないハッピーエンド、第二章始まる」っていうのはもうそのままですよ。


まず最初のトリップで、彼は交通事故を防ぎます。
まあ正確には大事故になるのを防ぎます。その結果、恋人も友人２人（これもカップルです）も、
生きている今に戻れるのですが、ささいなことから、彼は会社をクビになってしまいます。

無能で意地悪な上司にし返すべく、彼は自らの意志で過去にとびます。
自分と上司が写っている写真を使って。

戻ってきた彼は、自分が会社の副社長の地位にいるのに驚きますが、
大喜びしたのも最初だけ。
大事な彼女とは別れてるし、会社は火の車だし、しかも友人（過去に戻って救った一人です）は、
彼の仕事のミスで大損させたヤクザに人質になってしまっています。

しかも、友人を救いにいったヤクザの経営するクラブで、元彼女と再会。違う男といちゃついています。
更に、友人を助けるつもりが、逆に彼を殺させてしまうことに。
逃げた彼を追ってきたヤクザの部下の銃弾で彼女も死亡。
気絶した彼が翌朝目覚めると、見知らぬ男とベッドの中。
どうやらヤクザ仲間のホモ男のおもちゃにされてしまったようです。男をはねのけて逃げ帰る彼。

あっ、この時点で、彼は自分の母親と話します。
最初のトリップから彼は不安なのです。自分は気が違ったんじゃないか、と。病気なんじゃないか、と。
これは、行方不明の父親からの遺伝なのではないか、と。
母親は彼に言います。
「あなたは父親にそっくりよ。なんでも自分ひとりで背負い込むところが。
　今まで言わなかったけど、あなたのお父さんは自殺してしまった･･･」

ここ、地味に伏線です。

そして彼は三度目の、最後のトリップに挑みます。
事故直前のドライブ先の湖にむかって。





･･･本当に観ませんか？最後の場面のネタバレしますよ？いいですか？
観ようと思ってる方は、引き返して！早く！











彼は、ここで、別れを選択します。

自分と関わる限り、彼女には幸せはないと、判断したのです。
泣きすがる彼女。

「おなかにあなたの子供がいるのに･･･」

そう言って、泣きながら駆けていく彼女。

そんなことは知らなかった彼。彼女は彼との未来ではこっそりおろしていたようです。
慌てて彼女を追いますが、彼女はなんと彼の車で勝手に帰っちゃったというのです。

あの車は故障してるのに！それがもとで事故になるのに！！


彼は、他人の車を奪って（「ちょっと借りるよ！」みたいな。犯罪ですね！）彼女を追います。

そして彼は発見します。自分達を跳ね飛ばしたトラックが近づいてくるのを･･･



･･･あのね。このへんの映像、何度みてもよくわからなかったの。ナナ公。
たぶん、こういうことだと思う。


彼は、自分が飛び出したの。トラックの前に。っていうか、自分が事故を起こすことによって、
彼女の車を止めたの。


それから１年後。つまりこの映画の本来の時間。しかし、彼はいません。
あの事故で死んだのは、彼女（と友達２人）ではなく、彼一人ということになったようです。

そのかわり、小さな赤ちゃんがいます。彼と同じ名前の男の子の赤ちゃんを抱き上げて笑う彼女。
そして、部屋には、あの日のドライブの幸せそうな４人の写真が飾ってあります。


それを見つめる赤ちゃんの目が、光りだして･･･

ってかんじの話です。
なんかねえ、思っていたほど切なくなかった。どっちなんだ！ってかんじです。
純愛ストーリーなのか、器に余る能力を得てしまった男の悲劇なのか、
どうも感情移入しにくいです。

設定と構成はよくできているのに、俳優がイマイチなのか、演出がなってないのか、
まだＸ－メンのほうが、恋愛モノとしても上でしたね。
あっ、ファンタスティックフォーには近いかも。内容は濃いのに表面は浅いとこが。
せいぜい、タモリの「世にも奇妙な話」だっけ？あれくらいのレベルです。
喪黒福三とかでてきそう。

あっ！わかった！カタルシスがないんだ！タイムスリップものなのに、カタルシスがないんですよ！

なんていうの？ミステリーでいうと謎解き的な？
ドラえもんでもあるようなアレ。なんかこう、過去（もしくは未来）からのメッセージ的部分。
過去（もしくは未来）の自分（もしくは仲間）が助けに来る、みたいな部分。

かつ、結構、ささいじゃないんですよね。主人公の過去での行動が。
蝶々のはばたきどころか、火山の爆発ってかんじ。そりゃあ竜巻も起きるよ！ぐらいの派手な変革です。

もっとこうさあ、けっとばした小石とか気まぐれに捨てた吸殻とかで、未来が変わるような、
できれば、彼がメインで行動したことより、そういう副産物的な行動で未来が変わってる的な、
そういうカタルシスがほしいんですよ。
タイムスリップ好きとしては。

あとから何度も問題の場面を、まき戻して見直す･･･みたいな、ああいうのが好きなのよね、ナナ公。

この「バタフライ・エフェクト２」はねえ、主人公目線でいくと、
北村薫の「スキップ」なんですよね。
「スキップ」はねえ、１７歳の高校生の少女がある日起床すると、４２歳の主婦になっていたって話です。
自分と同じ年の娘までいます。
でも周囲からすると、彼女は２５年間分の記憶喪失になっているように映るのです。

あれに近いかも。

彼が１年前に戻ってアクションしたあることによって現在は激変するのですが、
その１年間もきちんと彼が勝手に（彼に記憶はないです）行動しちゃってるんですよね。

だから、タイムスリップしてる張本人のくせに、彼自身が一番バタバタです。
バタフライエフェクトだけに･･･！ｸｽｸｽｯ