ナナ公の独り言

都内在住既婚会社員女の日記です

パリスの審判=ゼウスの判断

ペルセポネの記事で「例外はアルテミス」なんて書いてしまいましたが、
なぜ例外かといいますと、女の子なのにスで名前が終わってるから。
あれだけでは、アルテミスがなぜ例外なのかわからないですよね。
つい自分が知ってることはみんなも知っているはず、となってしまうのが私の悪い癖です。

さてアルテミスですが、彼女は月の女神です。
この響きだけで憧れる。月の女神。

女神の中で最高権力を持つヘラは、一年に一度、若返りの泉を浴び、
輝くばかりの美しさを取り戻すといいます。
このときばかりは、何人たりともかないません。
ゼウスが嫉妬深い彼女を正妻にしておくのは、このときのヘラが素晴らしいからです。
また、美の女神アフロディテは、その名の通り美の化身。
ま、彼女の夫は天界一不細工で、
彼女自身ももともとはゼウスのおじいさんのチンチンから生まれたんですがね。
ローマ名ビーナスで知られる美の女神アフロディテは、海の泡から誕生し、両親はいないとされていますが、
この海の泡、ある神様のチンチンを切り落として海に捨てた際にできた泡です。

しかし、子供の頃ギリシャ神話を読んだ少女なら、おそらく好きな女神はヘラでもアフロディテでもなく、
アルテミスなのではないでしょうか?

アルテミスは太陽神アポロンの双子の妹で、狩りを守護する月の女神です。
このことからも、大昔、狩りは夜行われていたことがわかりますね。
動物は夜行性が多く狙うなら夜。しかし、ヒトの目は夜向きではありません。
一筋の月光が、狩人たちの頼りだったのです。

このアルテミス、憧れのお姉さまがいます。それは知恵の女神アテナ。
このアテナにもギリシャ神話女子は憧れるのではないでしょうか?
だって子供のくせにギリシャ神話にはまるなんて、
そもそもかなりの本の虫。読書大好き。趣味?いやいやむしろ本の世界こそ自分の世界。
そんな女子なら、浮気でふわふわしたアフロディテや、
夫の浮気にいつもピリピリしているヒステリックヘラ、
そしてさらわれたり襲われたりする弱いその他、人間やニンフなどより、
凛として、男を寄せ付けないアテナ、賢いアテナこそ理想になってしまいがちです。

でもねえ、アテナ。

カブトかぶって、ヨロイきて、男の格好してるんですよ。そして、男嫌いだかなんだか知りませんが、
本当にロマンスのうわさがなさ過ぎる。
現代に例えるなら、
「私は女だからって差別されたくない。いやらしい目で見られたくない」といきまいて、
スーツ着て、化粧しないで、ばりばり働くキャリアウーマンでしょうか。
いやいやレンホーだって、身だしなみには気を使ってるよ!
わざわざ男装するところに彼女の意思が見え隠れします。
本当に中身に自信があるならユニクロの部屋着で勝負しろよ。

それでいて、ヘラとアフロディテを向こうに回して、パリスの審判には参加しちゃうし。

カッサンドラの記事で書いたトロイア戦争の発端は、パリスの審判という、
「誰が一番美しいか」判断からはじまっているのですが、
この判断、独身の男にやらせちゃうなんてさ。女にやらせれば良かったのに。


男神の誰かと女神誰かの結婚式だったんですが、そこは忘れました。
とにかくその結婚式、仲人はどうやらゼウスらしいです。
仲人って言うか主催者?で、ゼウス、すべての神様に招待状を出しましが、争いの女神エリスにだけは出しませんでした。
ま、争いの神なんで、結婚式にはね。

エリス、仲間はずれにされてチィッと舌打ちしてふて寝しときゃいいものを、
チィッと舌打ちして、おでかけです。途中、黄金の林檎をつんで、
「一番美しい貴女へ」と書いて結婚式場に放り込みます。
ま、この黄金の林檎、いってみればエルメスケリーバッグってとこでしょうか?

ヘラ、アフロディテ、アテナの三人の女神が立候補します。
主催者の妻であるヘラ。
セクシーで男の本能を揺さぶらずにはおかないアフロディテ
賢くて男嫌いのアテナ。

デスパレートな妻たち」じゃないですが、あまりにも三人はタイプが違いすぎます。

真面目でお堅い、良妻賢母の妻。お母さんは誰よりも正しいのよ、が口癖です。
結婚しても、ときめきは必要だもの、と人生を楽しむ女。エステにランチに出会い系に毎日ふらふらしています。
クールで仕事のできる独身女。負け犬?結婚こそ人生の墓場でしょう?と常に上から目線です。

まあね、どの女性も極端にアレですが、仕方ない。女神だもの。極端でいいんです。
平凡な我々人間とは違います。

ゼウスには判断できませんでした。
怖くて。で、トロイの山で羊飼いしてた男を連れてきて選ばせます。
これがパリス。
「この子は、この国を滅ぼす」と恐ろしい予言を、生まれたときにされたので、
羊飼いのうちに養子に出されちゃった、その正体はトロイの王子です。
ってこの予言当たっちゃうんですけども。

独身のヤリたい盛りの男ですよ?そりゃあヤラせてくれそうな女選ぶでしょうよ。

かといって50歳くらいの人生をわかっている男でも困るでしょうね。
妻と愛人と、有能な秘書。
とある財閥の最高権力者のある男にとって、どの一人が抜けても現状維持は不可能です。
しかし、三人の女すべてが「私がこのヒトを支えている。私だけが」
「あとの二人なんて何もわかってないし、どうしても必要な女ではない」と思っています。

その辺のチャラ男つれてきて「お前この三人のうち誰がタイプ?」と決めさせたくもなるでしょう。

ゼウス、賢明な判断です。


アルテミスの話をしたかったんですが・・・
この書庫本当に今月中に終わらせられるのかな。がんばろう。

私ね、子供の頃は悩むことなくアテナを選びました。
パリスは愚かだと思ったし、その後の戦争でも知恵の女神を敵に回して勝てるわけないと思ってました。

前述のように、私も文学少女の端くれでしたし、もちろん処女でしたし。
タイプは違えど、男にふりまわされるヘラやアフロディテには、好意がもてませんでした。

そんな私と同じように、アテナに憧れ、
アテナと同じように処女を守ることを誓うのが、月の女神アルテミスです。

うん、彼女くらいがちょうど良い。
誰かに憧れて真似をするところも、自分を唯一無二にしてなさそうで可愛らしい。
服装も女の子らしいし、実はこっそり恋もしています。完全な男嫌いではないんだよね。
月の女神ってところも、華奢で儚げで素敵です。

アルテミスのエピソードで有名なのは二つ。でもこれ、もうまた今度で。
毎回毎回長い記事、どのくらいの方が読んでくれているかわかりませんが、ありがとうございます。

もう少しだけ、吐き出したら、この書庫も終わりにするつもりです。おつきあい感謝しています。