ナナ公の独り言

都内在住既婚会社員女の日記です

月桂冠をかぶったことありますか?飲んだことならありますが。

さて、昨日のお昼に更新した記事「カッサンドラ」ですが、
ギリシャ神話に詳しい方なら、「あれ?」とお思いになったでしょう。

そう。
カッサンドラは神官の娘ではありません。
トロイの王様の娘、つまりお姫様です。

ってか当たり前だよね。パリスの妹なんだもん。なんで私、神官の娘だと思っちゃったんですかね。
なんだろうか。神官ラオコーンとペアのイメージで。
しかも、予知能力&生真面目のイメージが巫女のイメージで。
カッサンドラ、私の中では、シャーマンです。

ですので、もう一箇所訂正させてください。「カッサンドラ」の記事の中で、
「カッサンドラの弟たちは海神ポセイドンに殺された」とありますが、あれも間違いです。テヘッ

ポセイドンの差し向けた大海蛇に殺されたのは、ラオコーンの息子たちでして、
私の中でそれがカッサンドラの弟になっちょりました。

(ちなみにアフロディテとアレスはトロイ側、アテナとヘラとポセイドンはギリシャ連合軍側についていて、
その他の神様は状況によって味方したり敵になったりと、この戦争を楽しんでいました)

しかしまあ、カッサンドラ一家、つまり王家一家は皆殺しにはなっちょります。パリスも戦争のさなかに戦死します。
しかしその前にパリス、不死身のアキレウスを倒してるんですよね。一矢報いる、ってかんじで。

アキレウスって、有名だからここでは長く語らないですが、
不死身になる川に赤ん坊のとき、さかさまに吊るされて浸けられて、不死身になったんですが、
そのとき足首を持ってドボンさせたので足首近辺が水に浸からず、足首近辺だけは不死身じゃなくて、
パリスに足首を弓で射られて死んじゃったんですよ。で、アキレウスの唯一の弱点がアキレス腱という名前になったというあれです。

っていいますかねえ、足首射られて死んじゃうってどんだけ弱いんだよ!
いやいや、パリスの射た矢は毒矢だったのでしょう。確かそうだったと思う。確か。


もう、あれですよね。
記憶だけに頼ってこういう記事書くから、こうして後から訂正だらけになっちまうんですよね。

でも、ギリシャ神話好きだった子供時代を過ごしたただの主婦が30年前の記憶ほりおこして書いている、
しかもブログですし、こんなとこで正しい知識を仕入れられるなんて思わないでほしい。
世の中はそんなに甘くないですよ!

これは、ナナ公の記憶のギリシャ神話であり、そのとき感じた読書感想文であり、妄想ですよっ。
これからも間違いがあると思うし、あったら訂正します。ごめんなちゃい。

じゃあダフネの話です。

ダフネ、確か川の神の娘でした。娘の一人で、ニンフだったかと思います。
もういきなりあやふやですが、そういうことでお願いします。ニンフって妖精のことです。
ギリシャ神話には天使がでてこないので、神様の用事をあれこれやるのはニンフだったり、さらわれた人間だったりします。
あとは動物とか。

動物といえばポセイドンですが、まあこれも今は関係ないので、流します。
(ヒトはプロメテウスが、動物はポセイドンがつくったんですよ。最高傑作は馬。だからポセイドンは競馬の神様でもあります)

で、川のニンフ・ダフネですが、太陽神アポロンに一目ぼれされてしまいます。
アポロン、このときはまだ若かったのか、とにかくヤりたい一心でダフネを捕まえようとします。
(カッサンドラの出てくるトロイア戦争は、ギリシャ神話時代でも後半部分です)
ダフネも必死に逃げますが、アポロンは文武両道でスポーツ万能(彼はオリンピックの神様です)ですから、
一介のニンフが逃げ切れるわけもありません。

あわや、というときダフネは、父親の川の神に助けを求めます。「お父さん、助けて!」

でもねえ、太陽神アポロンに川の神が勝てるわけもなく、父親にできることは娘の姿を変えることだけ。
アポロンが抱きしめている柔らかい少女の体は、硬い樹皮に覆われていき、美しい髪やほっそりした腕は枝となって延びていきます。
「なんてことだ!こんなつもりじゃなかったのに!」

アポロンさん・・・。アンタ本当に、先が読めないね。特に女のことになるとてんで何もわかっちゃいない。
イケメンで頭が良くてスポーツ万能で、しかもお坊ちゃんで性格も悪くない。
でもいつも、自分には向かない女ばっか好きになって、すぐ舞い上がっちゃって相手の気持ちなんか考えようとしない。

っていうか、エロス(キューピッド)にバカにされてるんじゃないの?

初恋の少女が目の前で樹に変わってしまったのをひとしきり悲しんだ後、アポロンはその枝で冠をつくります。
あ、初恋だっていうのはナナ公の想像です。理由はあとで。
そしてその冠をいつもかぶるようになるのです。

ダフネがメタモルフォーゼしたのは、月桂樹の樹です。
青春の神でもあるアポロンに愛された月桂樹は一年中、鮮やかな緑の葉をつくることになります。


ってことですが、そうか、青春の神じゃしょーがねえ。いつも浮ついて女の気持ちはわからねえな。そしてどの女とも長続きしねえんだな。

いや、それだけじゃない。アポロンがこの後、
カッサンドラに振られ、ヘリオトロープ(ひまわり?)の悲劇を招き、ヒュアキントスの死まで経験することになるのは、
絶対ダフネの呪いだと思うんですよ。

だからこれはアポロンの初恋だと思う。ダフネからしたらたまんないですよね。
自分を樹に至らしめた、ストーカーっていうか痴漢の頭にいつもいなきゃならないなんて。
そうはいってもアポロンはかなりの神様ですし、神様の頭に常駐してたら、ちょっとくらい超能力身につくと思うんですよ。

まあね、私が昔読んだギリシャ神話では、
ダフネも、間近でアポロンをみて恋に落ちたが、時すでに遅く体は月桂樹に変わり果てていた。
みたいな記述でしたけども。

でもどっちにしろ呪いだよ。
アポロンたら勢いで「一生キミ以外は愛さないと誓う!キミを忘れないために月桂樹をボクの神木にして、片時も頭から外さない!」とか
泣き叫んだくせに、ダフネをのっけたまま他の女(時には男も)を口説き、ナニに及びますからね。
処女のまま樹に変わったダフネからしたら、男性不信になり、アポロンを憎むに決まってるじゃない。
可愛さ余って憎さ百倍。

さて、ギリシャ神話では、よくヒトが植物に変わります。
おそらくすべての植物がもとはヒトだったという民族的考えなんだと思います。

一方で動物は、神がつくったもの。主にポセイドンが粘土?みたいなものでこしらえて命を吹き込んだことになっています。

星座は、ヒトか動物がもとになっていたりしますが、ギリシャ人は、星と植物が同じ感覚だったんでしょう。
神に愛されたヒトや動物は、星になったり花になったりしがちです。

私は今はこんなんですが、少女の頃はそりゃあ純真だったものですから、花になることに憧れましたね。
中でも、この、ダフネの話は好きでした。
相手は同じアポロンですが、
クリティエみたいに恋焦がれてヘリオトロープ(ひまわりみたいにいつも太陽のほうを向く花です)になるより、
愛されて腕の中で、しかも死ぬわけではなく、自分で望んで月桂樹に変わるダフネが羨ましかった。

樹に変わるときは気持ち良かったんじゃないか、と思いました。

ですが、あれから約30年。現在最も羨ましい女性はダフネではありません。
そして、30年前最も好きだったアテナ。二番目に好きだったアルテミス。この二人も今はあまり好きではありません。

次回はダフネと同じ状況から、全く違う人生になったペルセポネーの話をしようと思います。