ナナ公のつくり話
高校のときのクラスメイトから同窓会のお知らせが回ってきたのは、 大学三年生のときだった。 堂々と飲酒できる年齢になったのを祝って(?)、駅前の居酒屋に集合した。 今振り返れば、出席率は高かった。 40人中30人は出席していた。 21歳の同窓会だ…
私の名は、けいよい。 相変わらずぬーとは仲良くやっています。 この間は、もうお別れかっと思いましたが、例によってメガネさんの勘違い。 メガネさんはなぜか来年の秋に私たちが結婚するものと思い込んでいて、 ぬーが「(春挙式ですから)秋、ちゃいます…
私の名は、けいよい。 …えへへ、お久しぶりです。あれから3年ぶり、私も大学四年生になりました。 実は来年の春、卒業と同時に結婚が決まりました。ぬーとです。 私は残念ながら、ぬー一筋の学生生活を送り、五人も恋人候補がいたわけでもないし、 まして、…
「すいません!パソコン貸して下さいっ」 「いいわよ」 私の名は、けいよい。 美人妻ナナ公の事件簿ではおなじみの、美人妻ナナ公さんの名探偵ぶりを書き残す、 おっちょこちょいなヘイスティングス役の女子大生です。 ・・・チッ。 というわけで、私は今、ナナ公…
毎日、あっついですねえ、皆さん! 志武矢市もどうもこうもないほどにあっついです! と、いうわけで、私は今、この真夏に汗一つかかず爽やかに微笑むいい匂いのする美女・ナナ公さんちにいます。 お久しぶりです、けいよいでーす。 あっついので単刀直入に…
鏡よ鏡よ鏡さん。世界で一番美しいのはだあれ? ハイ。それは、ナナ公さんです。 …なあんて、ひとりぼけつっこみ・・・じゃなかった、本気でマジで心の底から思っていることを、 鏡に向かってつぶやいてる場合ではないのだ。 「どうしたの?けいよいちゃん」 私…
「あら、けいよいちゃん」 志武矢市が主催するミス志武矢コンテストを、 そのあまりの美しさで、ミセス志武矢コンテストに変えてしまった今年度の優勝者、 美人で有名なナナ公、いやナナ公と書いて美人と読む、その人ナナ公さんが笑顔で迎え入れてくれた。 …
「今の子、誰だい?」 志武矢市で評判の美人妻ナナ公の夫、ちょっとうっかり者のメガネ氏は、 居間に入りながら、ナナ公に聞いた。 「あれは、けいよいちゃんよ」 「けいよいちゃん?」 メガネは、たった今帰宅したところだ。 何回かチャイム鳴らしたものの…
今ね、アシモフのミステリ短編集読んでいてね、また思いついたから書くよ。 志武矢市にある図書館で、司書の女性が殺害された。 彼女自身は独身女性だったが、相手は既婚者らしく、 仕事仲間ではこの彼女の不倫の恋の相手が誰か噂になっていたらしい。 第一…
今ね、27時間テレビみてるよ。 こういうだらだらした生放送って、内容が薄いから好きじゃないけど、 一晩中起きてる人がいるって思うと、ちょっと楽しいね。 その様子を、みたけりゃみれるからね、夜中にいつでも。 ってことで最近また、メッセやりたいな…
カタッ。 真夜中、チエリが、物音で目を覚ますと、そこには天使が立っていました。 クリスマスの天使だ。 チエリはすぐわかりました。 チエリの住む国では、クリスマスに訪れるものが2種類あります。 ひとつはサンタクロース。 もうひとつは、クリスマスの…
火の精と、水の精が、恋に落ちました。 精霊達の庭では、その噂でもちきりになりました。 樹の精は、信じませんでした。 火の精の親友の空気の精は、浮かれて小さな風のダンスを踊りました。 花の精は、優しい水の精に憧れていたので、がっかりしました。 年…
その青年はさびしがりやの嘘つきでした。 二人の少女と出会ったとき、青年は二人の心を手に入れたいと思いました。 少女の一人には耳がなく、 もう一人の少女には目がありませんでした。 耳のない少女には、青年の声が聞こえません。 彼の、さびしそうな瞳と…
ある晩、少女の部屋の窓を叩く音がしました。 「こんばんは」 少女は少し驚きましたが、 窓を叩く妖精の話は聞いたことがあったので、冷静に答えました。 「こんばんは。あなたはだあれ?」 すると、窓の外の声が言いました。 「僕はシュウ。お話しようよ」 …
噂だよ。 できてる、って。 つきあってる、って。 ほんと? 私は悔しいけどいつもどこか具合が悪い。 学校とか休み多いし、 体育も見学が多いから、友達は少ない。 保健室の常連だ。 彼のことは、ずっと好きだった。 はじめて、見たときから。違う、いつのま…
やったぜ! 俺は一気に、階段を駆け下りた。 俺は去年、中1の時、保健委員やっていた。 保健当番は、給食後の昼休みと放課後、 それぞれ週1回まわってきて、保健室にいなきゃいけない。 俺は、部活がさぼれるから、当番の日はいやじゃなかった。 ときどき、…
ぱきん。 胸の奥でなにかが割れる音がした。 鏡をのぞいてみる。 なにも変わらない。 いつもどおり。 確かに胸が痛かったのに、どこにも傷ひとつない。。 休み時間のたびに、わたしの席に来るあいつ。 去年、ぴかぴかの中学1年生のとき、同じクラスで、一緒…
ある深い深い森の一番奥に、古いお城がありました。お城には年とった醜い魔女が住んでいました。 ある日お城に一人の旅人が迷い込んできました。 魔女は、疲れ果てた旅人にたっぷりの食事を与えもてなしました。 「ありがとうございます。大変たすかりました…